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鍪
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かぶと
ふりがな文庫
“
鍪
(
かぶと
)” の例文
法皇の護衞なる
瑞西
(
スイス
)
隊は正裝して、その士官は
鍪
(
かぶと
)
に
唐頭
(
からのかしら
)
を
揷
(
はさ
)
めり。この裝束は今若き貴婦人に會釋せるベルナルドオには殊に好く似合ひたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
(偽帝の挑戦に応ぜんとして使を発す。ファウスト甲を著、半ば鎖せる
鍪
(
かぶと
)
を戴き、三人の有力者上に記せる衣裳を著、武具を取り装ひて登場。)
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
点呼に応ずる兵卒の正服つけて、黒き毛植ゑたるバワリア
鍪
(
かぶと
)
戴
(
いただ
)
ける、警察吏の馬に
騎
(
の
)
り、または
徒立
(
かちだち
)
にて
馳
(
は
)
せちがひたるなど、
雑沓
(
ざっとう
)
いはんかたなし。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
鍪
(
かぶと
)
に巻ける絹の色に、槍突き合わす敵の目も
覚
(
さ
)
むべし。ランスロットはその日の試合に、二十余人の騎士を
仆
(
たお
)
して、引き挙ぐる
間際
(
まぎわ
)
に始めてわが名をなのる。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
黒い筒袖を着ている腕が、罪人の頭の上へ、金属で拵えた、円い
鍪
(
かぶと
)
のようなものを持って来て、きちょうめんに、上手に、すばやく、それを頸の隠れるように、すっぽり被せる。
罪人
(新字新仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
▼ もっと見る
かのフアビアニの君のやうなる、美しき軍服に身をかためて、羽つきたる
鍪
(
かぶと
)
を戴き、長き劍を
佩
(
は
)
きて、法皇のみ車の傍を
騎
(
の
)
りゆかんとやおもふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
我はほと/\興を失ひて、「トルソオ」をも「アンチノウス」をも打ち棄てゝ、家路に向はんとせしとき、忽ち羽つきたる
鍪
(
かぶと
)
を戴き、長靴の拍車を鳴して、輕らかに廊を歩みゆく人あり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
鍪
部首:⾦
17画