錦袍きんぽう)” の例文
たちどころに、王は麻酔におち、柴進は王の着ていた錦袍きんぽうたい、剣、はかま、たび、そして花冠はなかんむりまですっかり自分の体に着け換えてしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
錦袍きんぽうに包まれた、三つのしかばねがまだそのままによこたわっているそうである。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかもまた、黄金のよろい錦袍きんぽうとをその日の引出物として貰った。恐るべき毒にまわされて、呂布は有頂天に酔った。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見れば、大将軍袁紹えんしょうが、門旗をひらいて馬をすすめてくる。黄金こがねかぶと錦袍きんぽう銀帯をよろい、春蘭しゅんらんと呼ぶ牝馬ひんば名駿めいしゅん螺鈿らでんの鞍をおき、さすがに河北第一の名門たる風采堂々たるものを示しながら
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、見事な一領の錦袍きんぽうをとって彼に与えた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)