錣頭巾しころずきん)” の例文
それは何かというと、装束の肌着や錣頭巾しころずきんの裡に、き秘めている香のにおいの、誰の姿にも薫々くんくんと漂う死後のたしなみであった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
亀井戸寄りの町中まちなかで、屋台に山形の段々染だんだらぞめ錣頭巾しころずきんで、いろはを揃えた、義士が打入りの石版絵を張廻わして、よぼよぼの飴屋あめや爺様じさまが、しわくたのまくり手で、人寄せにそのかね太鼓をたたいていたのを
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
錣頭巾しころずきん眉庇まびさしの陰に、忠左衛門の眼はいつもの彼とは人の違うような鋭い眼になって、総て、ここに合体した総勢の頭数を忽ちのうちに読んでいた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)