鋪装ほそう)” の例文
道路だけは立派に作ってあるが、一歩鋪装ほそう道路をはずれると、暗黒の密林、あるいは熱砂の沙漠さばく、または奇巌きがんの岩原である。
日本のこころ (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
アーケードのついた明るいマーケットふうの通りができ、その道路も、固く鋪装ほそうされてしまっている。
夏の葬列 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
それが刻一刻とはげしくなるばかりで、やがてO町の交叉点からN会堂の方へのぼるだだつ広い鋪装ほそう道路にかかつた頃には、コウモリもまともには差してゐられないほどになりました。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)
れた鋪装ほそう道路に映る無数のヘッドライトの交錯をうっとりと見ていた。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)