銭塘江せんとうこう)” の例文
旧字:錢塘江
で、その男は罪をおそれて身を投げて死んでしまった。その頃大兵が杭州に入り来たって、潞王ははしり、承奉は廃鼎はいてい銭塘江せんとうこうに沈めてしまったという。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
汪士秀おうししゅう盧州ろしゅうの人であった。豪傑で力が強く、石舂いしうすを持ちあげることができた。親子で蹴鞠しゅうきくがうまかったが、父親は四十あまりの時銭塘江せんとうこうを渡っていて、舟が沈んで溺れてしまった。
汪士秀 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
せめてこの室の南側なんそくに、もう一つの小窓でもあいていたら、そこからは、風致上ふうちじょうよろしくはないかも知れないが、銭塘江せんとうこうにぎやかな河面かめんが、近眼の彼にも、薄ぼんやり見えたことであろう。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)