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鉄気
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かなけ
ふりがな文庫
“
鉄気
(
かなけ
)” の例文
然し、その重い網扉がけたたましい車金具の音と共に開かれ、
鉄気
(
かなけ
)
が鼻頭から遠ざかると同時に、密閉された熱気でムッと噎せ返るような臭気を、真近に感じた。
夢殿殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「
南部
(
なんぶ
)
が何と言っても、京都には敵いません。値段も倍から違います。
鉄気
(
かなけ
)
の出ないこと
請合
(
うけあい
)
です」
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ところでガータロと云う奴は
鉄気
(
かなけ
)
を嫌うもんですから、そう云う時には、何んでも構わない、鉄気のものを水の中へ投げさえすれば助かるんで、ふっとそのことを思い出して
紀伊国狐憑漆掻語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『どうか成りましょう。江戸でいけなければ上方、上方で人間になれなけれあ、中国、九州。——土と
鉄気
(
かなけ
)
のある土地なら、鍛冶小屋の一軒ぐらいは、どこかに建ちましょう』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところへ二十五六の薄い
髯
(
ひげ
)
を
生
(
は
)
やした男がどぶんと飛び込んだ。すると、からだに付いていた
石鹸
(
シャボン
)
が
垢
(
あか
)
と共に浮きあがる。
鉄気
(
かなけ
)
のある水を
透
(
す
)
かして見た時のようにきらきらと光る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
その一ツの池からは、いつも湯の烟がほうほうと立って、
鉄気
(
かなけ
)
で水が赤
錆
(
さ
)
びている、池の畔には川楊が行列をして、その間から、梓川の本流が、漫々と油のような水を湛えて、ぬるぬる流れている
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
鉄
常用漢字
小3
部首:⾦
13画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“鉄気”で始まる語句
鉄気水