鈎棒かぎぼう)” の例文
それとばかり、四方から馳け現れた伏兵は、坑の周りに立ち争って、許褚の体を目がけて、熊手や鈎棒かぎぼうなどを滅茶苦茶に突っこんだ。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とたんに、彼の上へ、棍棒こんぼう鈎棒かぎぼう鳶口とびぐち刺叉さすまた、あらゆる得物えものの乱打が降った。そして、しし亡骸むくろでもかつぐように、部落の内の籾干場もみほしばへかつぎ入れ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
部屋は三十畳も敷ける広さで、藺莚いむしろが敷いてあり、大刀どす、手槍、鈎棒かぎぼうなどが、手を伸ばす所にいくらでも備えてある。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まるで材木かいのこでも引っぱるように、熊手や鈎棒かぎぼうでわいわいと兵たちが許褚きょちょの体を大地に摺って連れて来たので
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
次郎が鋭い勢いをつけて、お蝶へ野槍を向けて来たのを見ると、率八は驚きながら、有り合う舟の鈎棒かぎぼうを持って
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、すばやく鈎棒かぎぼうをひッかけて呼びかけた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)