鈍如どんより)” の例文
農は従順である。土の従順なるが如く従順である。土は無感覚の如く見える。土の如く鈍如どんよりした農の顔を見れば、限りなく蹂躙じゅうりんしてよいかの如く誰も思うであろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
成程なるほど眼で分かる——さもありそうなことだ。の目、鷹の目、掏摸すりの眼、新聞記者の眼、其様そんな眼から見たら、鈍如どんよりした田舎者の眼は、さぞ馬鹿らしく見えることであろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)