金気かなけ)” の例文
旧字:金氣
「はゝあ、何かの料理に電気をつかふと見えるね。金気かなけのものはあぶない。ことにとがつたものはあぶないとう云ふんだらう。」
注文の多い料理店 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
簡単に言えば、金気かなけのある水の上に墨膜を作ると、その金気が非常に微量であっても、十秒か二十秒すると、この薄い墨の膜が固化してしまうのである。
硯と墨 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「この井戸いどみずは、金気かなけがあって、のめない。どうぞ、よそへいきなされ。」と、ことわりました。
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
鉄瓶から直接じかにうつした燗だから、金気かなけがあって飲まれないかと思うと、そうでない——上燗だ。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一厘たりとも金気かなけは肌に着いていない。のたれじにを覚悟の前でも、金は持ってる方が心丈夫だ。まして慢性の自滅で満足する今の自分には、たとい白銅一箇の草鞋銭わらじせんでも大切である。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それがいいのさ。金気かなけがしみついてるから虫がつかないよ」
三月の第四日曜 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「ははあ、何かの料理に電気をつかうと見えるね。金気かなけのものはあぶない。ことに尖ったものはあぶないとう云うんだろう。」
注文の多い料理店 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)