里正りせい)” の例文
令はそこでそれをまた里正りせいに催促して献上さした。市中の游侠児あそびにんい促織を獲るとかごに入れて飼い、値をせりあげて金をもうけた。
促織 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
智者横井は知行二百石足らずの家とは云ひながら、かく細川家の奉行職ぶぎやうしよくの子に生れたのに、父は岡山在の里正りせいの子に生れた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
此清水村の里正りせい阿部翁あべをうのものがたりにてきゝぬ。
奥州郡山こおりやま八幡宮はちまんぐう祠官しかん安藤筑前あんどうちくぜん親重ちかしげの子で、寛政二年に生れたらしい。十六歳の時、近村の里正りせい今泉氏いまいずみうじの壻になって、妻に嫌われ、翌年江戸にはしった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)