うわぐすり)” の例文
総体薄枇杷色うすびわいろで、春のあけぼのを思わせるうわぐすりの流れ、わけても轆轤目ろくろめの雄麗さに、要屋山右衛門、我を忘れて眺め入ったのも無理はありません。
その材料にはどんなうわぐすりが合うか、どんな焼方が合うか、どんな形が合うか、自然の賜物たまものを素直に受けそれを大切にすることが大事である。
雲石紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
これ等は馬の脇腹を起す綱に交互につけられ、黄色緑色とのうわぐすりがかけてある(図579)。蝦夷では同様にして、丸い木の玉が使用される。
実に粗末なものではあるが、しかしうわぐすりの色が何となく美しく好もしいので試しに値を聞くと五拾銭だという。
ある日の経験 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
翁は志野のうわぐすりが意のごとくゆかない、志野の火色が出ない、黄瀬戸が思うように発色しない。
どういううわぐすりであるかということが判らないのは当り前じゃないかとも考えるのだが、ただ単なる一介の陶痴であることを彼はつねに拒んで、彼は判ることに頭をはたらかせていた。
陶古の女人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)