郵便函ポスト)” の例文
赤い郵便函ポストから五六間東へくだると、白いペンキで小川町停留所と書いた鉄の柱がすぐ彼の眼にった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と三吉は慰撫なだめるように言って、そこに泣倒れたお雪を助け起した。郵便函ポストは共同の掘井戸近くに在った。三吉は妻を連れて、その手紙を出しながら一緒にそこいらを歩いて来ようと思った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこには赤い郵便函ポストが、鬼のやうな顔付をして立つて居る。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
色赤き郵便函ポストのみくるしげにひとり立ちたる。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)