郭門かくもん)” の例文
お三方は郭門かくもんの蔭にひそみ、われわれが、宋江の退路をッたとみたところで、いちどに吊り橋を渡って包囲したらどんなものでしょう?
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
行を送りて郭門かくもんを出づれば、孤鶴は秋旻しゅうびんに横たわる。環海は何ぞ茫々たる、五州はおのずからりんをなす。周流して形勢を究めよ、一見は百聞に超ゆ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
と、祝龍はただちに部下へいいつけて、石秀を縄からげにし、郭門かくもんの内へ送りこむやいな、ふたたび馬をかえして敵の中へ突入して行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫乾そんけんは、留守していたので、城下の父老をひきいて、郭門かくもんに出迎えていた。その老人たちは、口をそろえて
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫立そんりゅうの一行は、まもなく郭門かくもんでみな馬をおりて、これへ来た。相見るや、欒廷玉らんていぎょくもオオと双手で迎え、孫立もまた手をさしのべ、かたく握り合って、お互い久闊きゅうかつの情を見せた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)