邑落ゆうらく)” の例文
伝えいう、遠野郷の地大昔はすべて一円の湖水なりしに、その水猿ヶ石川となりて人界に流れ出でしより、自然にかくのごとき邑落をなせしなりと。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
邑落として社会的生活を営むようになって来ると、宗教意識も発達し祖先崇拝の道徳も称導され、さらに肉体は腐朽するも霊魂は存在すると云う、即ち霊肉を二元的に観るようになって
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
今日邑落の地名にあるのは不思議のようであるが、これは何原・何野という村の名があると同様、別に開発前の称呼を変ずる必要を見なかったためである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
武蔵の荒藺・遠江の新居などというアラも、考えてみれば阿原と縁由があるかも知れぬ。イは邑落の義である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
また美作久米郡倭文東村大字戸脇字悪多位は、アクタに作った居、すなわち邑落で、近江滋賀郡石山寺の附近の幄谷の地名は、かつて勅使参回の折に、を張った所ともいい
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
これに反して、少なくとも個々の邑落ごとに、式の日のきまっていたものが二つある。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
一つの邑落に八十戸百戸の人家が集り、または三里五里の隣村と交際するようになっては、そもそもかくのごとき単純な方法では、同年輩の若者を弁別することができなくなりました。
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
上古岩を道路の側もしくは邑落の境に立て、あるいは天然の岩を利用して地鎮の祭をした。その祭壇を名づけて「クラ」または「トコ」というたのである。この岩石は多くの場合には二つであった。
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)