避病院ひびょういん)” の例文
(ここは何かの寄宿舎きしゅくしゃか。そうでなければ避病院ひびょういんか。とにかく二階にどうもまだだれのこっているようだ。一ぺん見て来ないと安心あんしんができない。)
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
とっちゃん! なんとかして医者を呼ぼうかね? なんならだれかに頼んで、いっそのこと避病院ひびょういんにでも入るようにしてもらったらどんなものかね?」
或る嬰児殺しの動機 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「ヘエ。幾歳いくつになりますか存じませんが。ヘエ。去年の夏の末頃までこの裏山に住んでおりまして、父親の跛爺の門八は、村役場の走り使いや、避病院ひびょういんの番人など致しておりましたが……」
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おいの長吉が釣台つりだいで、今しも本所の避病院ひびょういんに送られようというさわぎ最中さいちゅうである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「これは、避病院ひびょういんへやらなけれやならん。」と言った。
悪魔 (新字新仮名) / 小川未明(著)