遺筐いきょう)” の例文
象山は実に時勢を知るの俊傑たるに相違なし、彼が死後その遺筐いきょうに「政策目安めやす書」なるものあり、その条に曰く
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
物言わぬ夫の遺筐いきょうを、余人の衣類のごとくしばらく折目をさすりておりしが、やがて正気にかえりし時は、早や包みをいだきしめて悶絶もんぜつしたり、げに勇蔵は田原坂たばるざかの戦官軍大敗の日に
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)