“遁亡(フイ)” の例文
その筈(はず)でさ、来ないも道理。どさくさ紛れに、火の玉の身上(しんしょう)をふるった、新しいばりかんを二挺(ちょう)、櫛(くし)が三枚、得物に持った剃刀をそのまま、おまけに、あわせ砥(と)まで引攫(ひっさら)って遁亡(フイ)なんですって。……
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)