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かよいちょう
ふりがな文庫
“
通帳
(
かよいちょう
)” の例文
三四郎はまた
隠袋
(
かくし
)
へ手を入れた。銀行の
通帳
(
かよいちょう
)
と印形を出して、女に渡した。金は帳面の間にはさんでおいたはずである。しかるに女が
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いや、俺の
父親
(
てておや
)
がいなくなった後には、おたあさんが俺のために預けておいてくれた十六円の貯金の
通帳
(
かよいちょう
)
まで無くなっておったもんじゃ。
父帰る
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「僕もそうかと思って恐ろしかったんだが、何のことやれ、銀行の
通帳
(
かよいちょう
)
だ。家内の奴、臍繰りを二百六十何円溜めていた」
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
通帳
(
かよいちょう
)
ガ弟子ヨリヨコシテアルカラ、
只
(
ただ
)
買ッテ遣ウシ、困ルコトモナク、ソコヨリ七里脇ニ向坂トイウ所ニ、サキ坂浅二郎トイウガイルガ、江戸車坂井上伝兵衛ノ門人故
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
妾
身支度
(
みじたく
)
をして、うちにある現金と、銀行の
通帳
(
かよいちょう
)
を持って、裏口からソッと脱け出してここへ来たの……あなたと一緒に預金を引き出して逃げようか、どうしようかと思って……
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
それは越した日に八百屋も、
肴屋
(
さかなや
)
も
通帳
(
かよいちょう
)
を持って来て、
出入
(
でいり
)
を頼んだのに、その日には肴屋が来ぬので、小さい梅を坂下へ
遣
(
や
)
って、何か切身でも買って来させようとした時の事である。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
と夫人も良人の申分を弁解とばかりは思わないが、見す/\二百円三百円と纒まった金が銀行の
通帳
(
かよいちょう
)
から永久に消えて行く仕事だから、何とか苦情をつけたくなる。
或良人の惨敗
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
岡田が蛇退治をしている間、寂しい日曜日の午後に無縁坂を通るものはなかったが、この小僧がひとり通り掛って、
括縄
(
くぐなわ
)
で縛った徳利と
通帳
(
かよいちょう
)
とをぶら下げたまま、蛇退治を見物していた。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
コックは親が病気だから
郷里
(
くに
)
へ帰ると答えました。博士は『それ、お気の毒。このお金、お見舞に上げる。それから』と言って立って行って、銀行の
通帳
(
かよいちょう
)
を持って来ました。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
あなた、甚だ立ち入ったようで申訳ありませんが、あなたの
通帳
(
かよいちょう
)
を
或良人の惨敗
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“通帳”の意味
《名詞》
配給や預金、掛売、掛買などを記録する帳簿。通い帳。
(出典:Wiktionary)
通
常用漢字
小2
部首:⾡
10画
帳
常用漢字
小3
部首:⼱
11画
“通帳”で始まる語句
通帳位