退避ひる)” の例文
して見ると組々の長屋に住んでいる総勢一万人の顔はことごとく獰猛なんだろう。自分は全く退避ひるんだ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かしらですらこれだから、ひらの坑夫は無論そう野卑ぞんざいじゃあるまいと思い込んでいた。だから、この悪口あくたいやぶからぼうに飛んで来た時には、こいつはと退避ひるむ前に、まずおやっと毒気を抜かれた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)