迷執めいしゅう)” の例文
そしてそれらの迷執めいしゅうに、幾度か傷つきながらも、幾度かつまずきながらも、彼の魂はかえって鍛えられつちかわれた。
一つ事に迷執めいしゅうを抱き、身、別世界にある思いの左膳は、朝夕夢のこけざるを追って、流れ流れてふたたび江戸へ……。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
犯人は一事狂者モノマニアックで、ある一つの迷執めいしゅうに駆られてこの犯行を重ねているということは肯定しうるが、しかし、ウィンスロウ博士が想定しているような、意力の加わらない
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
物をあつめてよろこぶ人が、一つことに気をつめた末、往々にして捉われる迷執めいしゅうである。業火ごうかである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
黄金こがねのうずたかきところ、醜きまでにあらわな我欲迷執めいしゅうの集まることは、古今そのを一つにする。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)