軍閥ぐんばつ)” の例文
この方法は平安朝の藤原氏が、武家時代の鎌倉政府が足利氏が、そして昭和の今日には軍閥ぐんばつ政府が、行ったところである。天皇はロボットであった。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
もしも節句の武者人形や鯉幟こいのぼり軍閥ぐんばつの臭味があるとしたら、鳥居の立っている日本国内の神社は稲荷いなりと天神とを除いて大方武将を祭ったものであるから
仮寐の夢 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あそこの大きな角店かどみせと、盛り場一帯の縄張りを、施恩から奪い取っていたからこそ、その顔で日々莫大ばくだいな日銭もあがり、その悪銭の何割かが軍閥ぐんばつ一家の張家の内ぶところへも
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侵略される肉体の所有者について探究するとき、かの女たちは、そこに帝国主義的な型を持った男性の手管を感じ、軍閥ぐんばつの持つ圧力を、ブルジョアジイの持つ征服にたいする歓喜を衝けるのだ。
戦争のファンタジイ (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)