軍物語いくさものがたり)” の例文
さきのとし玉山翁が梓行しかうせられし軍物語いくさものがたりの画本の中に、越後の雪中にたゝかひしといふあり。文には深雪みゆきとありて、しかも十二月の事なるに、ゑがきたる軍兵ぐんびやうどもが挙止ふるまひを見るに雪はあさく見ゆ。
その頃には絵本がいろいろあって、年齢に応じて程度が違えてあり、挿画には少しばかりの絵解えときがしてあった。桃太郎やカチカチ山は最も小さい子供の見るもの、それより進んでは軍物語いくさものがたりであった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)