“いくさものがたり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
軍物語66.7%
戦物語33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さきのとし玉山翁が梓行しかうせられし軍物語いくさものがたりの画本の中に、越後の雪中にたゝかひしといふあり。文には深雪みゆきとありて、しかも十二月の事なるに、ゑがきたる軍兵ぐんびやうどもが挙止ふるまひを見るに雪はあさく見ゆ。
その頃には絵本がいろいろあって、年齢に応じて程度が違えてあり、挿画には少しばかりの絵解えときがしてあった。桃太郎やカチカチ山は最も小さい子供の見るもの、それより進んでは軍物語いくさものがたりであった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
やがて景清の戦物語いくさものがたりも済んで一番の謡もとどこおりなく結末まで来た。自分はその成蹟せいせきを何と評して好いか解らないので、少し不安になった。嫂は平生の寡言かごんにも似ず「勇しいものですね」と云った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)