トップ
>
蹰躇
>
ちゅうちょ
ふりがな文庫
“
蹰躇
(
ちゅうちょ
)” の例文
迷亭もここに至って少し
蹰躇
(
ちゅうちょ
)
の
体
(
てい
)
であったが、たちまち
脱兎
(
だっと
)
の勢を以て、口を箸の方へ持って行ったなと思う
間
(
ま
)
もなく
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかして余はその折も今日もこの評語に団十郎を除きてはの数語を加ふることを
蹰躇
(
ちゅうちょ
)
せず。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
これはヒロインの
蹰躇
(
ちゅうちょ
)
の心理を表わすものであろう。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「
此方
(
こつち
)
へ」と云つた。丸で理科大学の穴倉の
中
(
なか
)
と同じ挨拶である。庭から這入るべきのか、玄関から廻るべきのか、三四郎は少しく
蹰躇
(
ちゅうちょ
)
してゐた。すると又
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「打ち明けて下さらなくっても
可
(
い
)
いから、何故」と云い掛けて、
一寸
(
ちょっと
)
蹰躇
(
ちゅうちょ
)
したが、思い切って、「何故棄ててしまったんです」と云うや否や、又
手帛
(
ハンケチ
)
を顔に当てて又泣いた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
けれども、さう
快
(
こゝろ
)
よく引き受ける気にもならなかつた。何しろ知らない女なんだから、頗る
蹰躇
(
ちゅうちょ
)
したにはしたが、断然断わる勇気も出なかつたので、まあ
好
(
い
)
い加減な
生返事
(
なまへんじ
)
をして居た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが誰も来ない、いくら
蹰躇
(
ちゅうちょ
)
していても誰も来ない。早く食わぬか食わぬかと催促されるような心持がする。吾輩は椀の中を
覗
(
のぞ
)
き込みながら、早く誰か来てくれればいいと念じた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蹰
部首:⾜
19画
躇
漢検1級
部首:⾜
19画