踏襲たふしふ)” の例文
その故に他の作家、殊に本来密を喜ぶ作家が、みだりに菊池の小説作法を踏襲たふしふしたら、いきほひ雑俗のへいおちいらざるを得ぬ。自分なぞは気質の上では、可也かなり菊池とへだたつてゐる。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし僕は過去の詩形を必ずしも踏襲たふしふしろと言ふのではない。唯それ等の詩形の中に何か命のあるものを感ずるのである。同時に又その何かを今よりも意識的につかめと言ひたいのである。