跛者びつこ)” の例文
平次は一足飛びに、その相手を押へました、それは跛者びつこで病身で——此上もなく美しいお糸のおびえ切つた姿ではありませんか。
「御浪人は跛者びつこのやうだが、あれも本當の跛者か。いつか首からもゝを釣つて僞跛を引いて居るのをつかまへたことがあるが」
親分方の前だが、娘のおこのも良い女だが、めひのお糸といふのは、跛者びつこで病身だといふけれど、そりや美い女ですよ
「まだ鎌六には逢つちや居ません。おや、向うから來るのは喜助ぢやありませんか。お紋の兄の、跛者びつこの喜助で、相變らず何處かへ買出に行くんでせう」
輕口の上手で、眇目めつかち跛者びつこで、見るかげもない男ですが、使ひやうによつては、成程調法な男かもわかりません。
横幅の方が大きいやうな一寸法師で、ひどい跛者びつこ——秋山家の下男の丙吉でなくて誰であるものでせう。
ケロリとして居ましたよ、尤も、跛者びつこ眇目めつかちのくせに、一と頃はお孃さんに夢中になつて、隙見を
跛者びつこで病身なために、あまり外へ出る機會もなく、從つて嫁の口も滅多にありませんが、じゆくし切つて虫の附いた果物のやうな、何んともいへない不思議な魅力の持主でした。
幇間だいこも兼ねてゐる、跛者びつこ眇目めつかちで、リゴレツトに丁髷ちよんまげを結はせたやうな中年者でした。
四十五六のさかんな年頃ですが、ひどい跛者びつこで蒼白くて、二本差としてモノの役に立ちさうもありませんが、雜俳ざつぱい席畫せきぐわ得手えてで、散らしを描いたり、配り物、刷り物の圖案をしたり、代作、代筆