赭丹しゃたん)” の例文
けだし赭丹しゃたんって身にく、赭丹は馬腹中に産するところの物、これを用いて念呪すなわち風雨を致す〉と載せた赭丹も、蒙古名シャダーの音訳だ。
一面に赭丹しゃたんを流したよう素地を見ることが出来なかったそうであった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
無髯むぜん赭丹しゃたん色をした顔には、顴骨かんこつ突起と下顎骨が異常に発達している代りに、鼻翼の周囲が陥ち窪み、その相はいかにも醜怪で——と云うよりもむしろ脱俗的な、いわゆる胡面梵相こめんぼんそうとでも云いたい
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)