赤帽あかぼう)” の例文
その時、そこのプラットホオムに四十五六の紳士しんしがいて、僕のいる車室へ乗りんで来た。その後から赤帽あかぼうが大きなかばんを持ち込む。
蝗の大旅行 (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
それから、中央停車場へはいると、入口にいた赤帽あかぼうの一人が、突然千枝子に挨拶あいさつをした。そうして「旦那だんな様はお変りもございませんか。」
妙な話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
バクダッドの町に、ヒンドバッドという、貧乏びんぼうな荷かつぎがいました。荷かつぎというのは、鉄道の赤帽あかぼうのように、お金をもらって人の荷物を運ぶ人です。
そこらじゅうを見ても、駅長えきちょう赤帽あかぼうらしい人の、かげもなかったのです。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と思ったらあの赤帽あかぼう信号手しんごうしゅがまた青いはたをふってさけんでいたのです。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そこら中を見ても、駅長や赤帽あかぼうらしい人の、かげもなかったのです。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)