賜謁しえつ)” の例文
しかし賜謁しえつは、上々の首尾で、義貞は身にあまる思いにくるまれ、さらにべつな庭では、准后じゅんごう三位ノ廉子やすこにもえっした。
便殿べんでんへ入られても、あとは優勝騎手への賜謁しえつだの、近習の奏上やらで、玉座は衣冠の群れのたえまもない。
微賤びせんな一廷尉の分際ぶんざいが、かくも長々と、愚言を奏したてまつろうなどとは、たれしも夢思わぬことではあったが、賜謁しえつをお取次いたした奏者そうじゃのつみも軽くない。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——何とぞ不時ふじ賜謁しえつの儀をおはからい願いたく」とちょうへ手続きをとらせたのだった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが初めての賜謁しえつで、初めての別謁べつえつです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)