象潟きさかた)” の例文
羽後の象潟きさかたなどは、百年前の鳥海山ちょうかいさん噴火以来、まったく水田に変じて当年の美景はないが、今もこの汐越が町の名となって残っている。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
象潟きさかた町にかけての広い意味での「公園裏」……蔓のように伸び、花びらのように密集したそれらの町々、そこにわたしの「新しい浅草」はうち立てられた。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
嵐烈しく雪散る日辿り着きたる平泉、みぎはこほれる衣川を衣手寒く眺めやり、出羽にいでゝ多喜の山に薄紅うすくれなゐの花をで、象潟きさかたの雨に打たれ木曾の空翠くうすゐに咽んで、漸く花洛みやこに帰り来たれば
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
丁度そこへ、象潟きさかた警察から電話があって、六郎氏の変死を知らせて来たのであった。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それが今度行って象潟きさかた署で聴いて見ると、矢張り四五十人居るという。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
最上川象潟きさかた以後
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
象潟きさかた署保安係の某氏は記者にこんな事を云った。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)