請待しやうだい)” の例文
八月十二日に蘭軒は岸本由豆流きしもとゆづる請待しやうだいせられて、墨田川の舟遊をした。相客は余語古庵よごこあん万笈堂まんきふだう主人とであつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
上流社会で舞踏会や夜会を催す事があると、ステパンはきつと請待しやうだいせられる事になつた。ところがそれまでになつたステパンの心中には満足の出来ない事があつた。
あの秋の祭に雪子の家に請待しやうだいを受けて、瀬戸の火鉢のふちをかゝへて立つと手からすべり落ち灰やおきが畳いつぱいにちらばつた時の面目なさが新に思ひ出されては、あるに堪へなく
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
セルギウスに詞を掛け、遂に自分の屋敷へ請待しやうだいした。セルギウスはそれをきつぱり断つた。