“誰(ただ)” の例文
此の間、彼の頭に殘るやうな出來事と謂へば、誰(ただ)生母(せいぼ)に亡(な)くなられた位のことであつた。それすら青春(せいしゆん)の血の燃(も)ゆる彼に取つては、些と輕い悲哀を感じた位のことで、決して左程(さほど)の打撃では無かつた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)