説伏ときふ)” の例文
何よりも先に対岸の福岡県に馳け付けて旧友の佐々木知事を説伏ときふせて、出来たばっかりの警備船、袖港丸しゅうこうまるを試運転の名目で借り出した。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
内心では勿論弟子の僧が、自分を説伏ときふせて、この法を試みさせるのを待っていたのである。弟子の僧にも、内供のこの策略がわからない筈はない。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
僕が継母に説伏ときふせられて三度の御飯よりも好きな音楽をやめて、軍隊に入る約束をさせられたのもドウヤラその弁護士の策謀さしがねらしいのです。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
父は十六の年に、お祖父様を説伏ときふせて家督を相続した。その時は父は次のような事をお祖父様に説いたという。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そのうちに先生を説伏ときふせて組合の巡邏船、鶏林丸に食糧と油を積んで、そのうちにズラカッてしまう。真直まっすぐに露領沿海州へ抜けて俺の知っている海岸で冬籠りの準備をする。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)