許嫁いいなづけ)” の例文
もし、まだ許嫁いいなづけがなかったなら、なんでもないし、許嫁があるにしても、たくさん賄賂をつかえば、はかりごとはげられるよ。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
伊丹屋の養女だということや、許嫁いいなづけが生地なしだということや、生活くらしが退屈だということや
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
地方にはくあるならい、角川の市郎と冬子とは所謂いわゆる許嫁いいなづけの間柄で、市郎が医師を開業すると同時に、めでたく祝言しゅうげんという内相談ないそうだんになっている。勿論もちろん、二人の間に異存は無かった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
まず許嫁いいなづけ伊太郎いたろうが、肺を病んで病没した。そうして大家伊丹屋は、維新の変動で没落した。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)