言現いひあらは)” の例文
大きにさうかも知れない。然しこの間違つた、滑稽な、ぬえのやうな、故意こいになした奇妙の形式は、しろ言現いひあらはされた叙事よりも、内容の思想をなほ能く窺ひ知らしめるのである。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
静子は、宛然さながら自分の秘密でも言現いひあらはされた様な気がした。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)