覚猷かくゆう)” の例文
鳴滝の上流と、清滝きよたきの水とが交叉している渓川橋たにがわばしをわたって、高雄道たかおみち八丁への途中、栂尾とがのおの山ふところに、覚猷かくゆう僧正は、時どき来ている。
が、師伝よりは覚猷かくゆう蕪村ぶそん大雅たいが巣兆そうちよう等の豪放洒落な画風を学んで得る処が多かったのは一見直ちに認められる。
僧衣にたすき掛けの僧覚猷かくゆうが映画監督となってメガフォンを持って懸命に彼の傑作の動物喜劇撮影をやっているであろうところの光景を想像してひとりで微笑したりした。
映画時代 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかし覚猷かくゆうは、今どきの若い者に、赤い顔をさせるようには、いわなかった。
いいのこして、覚猷かくゆうは、道をべつに、別れていった。