見惨みじめ)” の例文
疲れてもやめえぬ戦いを持続しながら、㷀然けいぜんとしてひとりその間に老ゆるものは、見惨みじめと評するよりほかに評しようがない。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
孔乙己はとても見惨みじめな様子で仰向いて答えた。
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)
恐れてはまた攫もうとする青年は一層見惨みじめに違あるまいと考えながら、腹の中で暗に同情の涙を彼のためにそそいだ。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうしてその悲劇のどんなに先生にとって見惨みじめなものであるかは相手の奥さんにまるで知れていなかった。奥さんは今でもそれを知らずにいる。先生はそれを奥さんに隠して死んだ。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)