要之えうするに)” の例文
彼等はただ被告と裁判長との応答をきき乍ら、そのこんぐらかつた話のゆきさつに興味をよせ、要之えうするに犯罪や裁判など云ふものは馬鹿馬鹿しいものであると考へたにすぎなかつた。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
けれども、その「生活の改造」とは、要之えうするに女房を持つといふ事に過ぎないのである。
少し舌が長すぎるのか、醉つて居る爲めにもつれるのか、ぢいさんのいふ事は聞取りにくかつたが、要之えうするにその醉月といふ宿屋は、きれいで靜で安くて、食物たべものは上等で、おかみさんも女中も親切で
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
「そんなことはどうでもいい。要之えうするに切手ははげて居たと云ふのだな」
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
額に汗を流し流し、聲をふりしぼつてゐたの一派は、屡々面白いものを見せてくれた。要之えうするにそれは「外形」の美醜によつてわかつべき優劣ではなくて、精神的の美醜によつて定まる優劣である。