襄江じょうこう)” の例文
白河はくがの流れ、襄江じょうこうの激水、いずれも雨がふると、谷々から落ちてくる水を加えて、もっと水嵩みずかさを増してまいります」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「夜、襄江じょうこうで網をかけておりましたところ、一道の光とともに、河底からこんなものが揚がりましたので」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日関平が上流の一川のせきを切ったため、白河と襄江じょうこうのふたつが一時に岸へってきたのだった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
襄江じょうこうの水は、一夜ごとに、驚くばかりみなぎりだしてくる。白河の濁流もあふれて諸川みな一つとなり、やがては満々と四方の陸を沈めて、見るかぎり果てなき泥海となって来た。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同じ頃、久しく籠城中の樊城はんじょうの兵が、門を開いて突出してきた。これは死にもの狂いの兵なので、包囲は苦もなく突破され、そこにあった関羽軍は、襄江じょうこうの岸へとなだれを打って追われた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)