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袿衣
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うちぎ
ふりがな文庫
“
袿衣
(
うちぎ
)” の例文
彼女は指を
袿衣
(
うちぎ
)
の袖にかくしてそっと顔の濡れをたたいた。澄みきった女の覚悟を姿に描いて退がりかける容子である。後醍醐は、
狼狽
(
ろうばい
)
された。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さきに登子を乗せ、高氏もすぐ
鐙
(
あぶみ
)
を踏む。登子は、かいどりを
被衣
(
かつぎ
)
にした。
袿衣
(
うちぎ
)
なので、横乗りに、自然、鞍つぼの良人に甘えたような
姿態
(
しな
)
になる。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
将門は、彼女の
袿衣
(
うちぎ
)
の襟あしから、久しくわすれていた都人の白粉の香を嗅ぎとって、何もかも、忘れていた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
縁の上から
転
(
まろ
)
び落ちた泰子は、紅梅の
袿衣
(
うちぎ
)
や、白、青の
襲
(
かさね
)
衣も、またその黒髪もふり乱して、大地にうつぶし、どうかしたのか、そのまま起きもしないのである。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たった今まで、召使に交って、厨の内で、
煮焚
(
にた
)
きや
水仕
(
みずし
)
をしていたことは事実であろう。常の
袿衣
(
うちぎ
)
を、やや
裾高
(
すそだか
)
にくくし、白と紫のひもを、
裳
(
もすそ
)
に連れて垂れていた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
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例によって、高価な
白粉
(
おしろい
)
を、惜気もなく厚く用い、髪には、香料をしのばせ、まゆを、ぼうと描いて、
袿衣
(
うちぎ
)
も二十歳台の女性が着るような、あでやかなのを、着すべらせている。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
袿衣
(
うちぎ
)
と
襲
(
かさ
)
ねを、与えたので、居合せた皇子や朝臣たちも、思い思いに、物を与え
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
袿
漢検1級
部首:⾐
11画
衣
常用漢字
小4
部首:⾐
6画
“袿”で始まる語句
袿
袿姿
袿袴
袿襠