蛔虫かいちゅう)” の例文
ここらはくわしく話すのもなんですから、簡略に申し上げますが、つまり僕の体内から蛔虫かいちゅうが出て来たんですな。それも一匹ではなく、大小取りまぜて数匹。
ボロ家の春秋 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
馬でも牛でも熊でも狼でも自分の腹の内を通り抜けさせてやる気がある。人の腹の中が好いの悪いのと注文を云って居る絛虫さなだむし蛔虫かいちゅうのようなケチなものではない。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ヌルヌルした肌をおののかせ、無恰好な手足を藻掻もがく、大蜘蛛の様なえぞわかめ、水底の覇王樹さぼてんと見えるかじめ、椰子やしの大樹にもすべきおおばもく、いやらしい蛔虫かいちゅう伯母おばさんの様なつるも
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
お子達、肺炎のあと蛔虫かいちゅうにて又いためつけられしとなり。
海野十三敗戦日記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
蛔虫かいちゅう
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
使ってないから蛔虫かいちゅうの憂いがない。第三に君は八百屋に行く手数がはぶけたじゃないか。理由が三つもあれば、値段もおのずから三倍ぐらいになるのは当然じゃなかろうか
ボロ家の春秋 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)