蛇紋石じゃもんせき)” の例文
蛇紋石じゃもんせきを刻み込んだ黄金の屋根に黄金の柱で希臘ギリシャ風の神殿をかたどり、柱の間を分厚いフリント硝子ガラスで張り詰めた奥には、七宝細工の文字板と、指針があって
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「大へん怒ってるね。どうかしたのかい。えゝ。あの東の雲のやつかい。あいつは今夜は雨をやってるんだ。ヒームカさんも蛇紋石じゃもんせきのきものがずぶぬれだらう。」
楢ノ木大学士の野宿 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
浴室は天井まで模造大理石を張りつめ、十人もいっしょにはいれるような薄緑の蛇紋石じゃもんせきの大きな浴槽のそばに、タオルのおおいをかけたスポンジの寝椅子が置いてある。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「大へんおこってるね。どうかしたのかい。ええ。あの東の雲のやつかい。あいつは今夜は雨をやってるんだ。ヒームカさんも蛇紋石じゃもんせきのきものがずぶぬれだろう。」
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
見ると彼女は蛇紋石じゃもんせきの流し場に片手をいたまま、横坐りをして、唇をシッカリと噛んでいた。
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
青豆色フーカスグリンの天井。古黄金色こもんいろの四壁。五色七彩の支那絨氈じゅうたん蛇紋石じゃもんせきの大暖炉。その上に掛かった英国風の大風景画。グランドピアノ。紫檀したんの茶棚。螺鈿らでんの大卓子テーブル。ロココ風のクリスタル・シャンデリヤ。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)