虎渓橋こけいきょう)” の例文
旧字:虎溪橋
おなじく桂川のほとり、虎渓橋こけいきょうの袂。川辺には柳幾本いくもとたちて、すすきあしとみだれ生いたり。橋を隔てて修禅寺の山門みゆ。同じ日の宵。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
虎渓橋こけいきょうに向った石段の傍にあると思う……ろはと数えて道順ににのあたりが俗に釣橋釣橋と言って、渡ると小学校がある、が、それを渡らずに右へ廻るとほの碑に続く
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とにかく、その仮面めんて、寺を出ると、秋の日はもう暮近い。私は虎渓橋こけいきょうたもとに立って、桂川の水を眺めていました。岸にはすすきが一面に伸びている。
帰り路に虎渓橋こけいきょうの上でカーキ色の軍服を着た廃兵に逢った。その袖には赤十字の徽章をつけていた。宿に帰って主人から借りた修善寺案内記を読み、午後には東京へ送る書信二通をかいた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)