スコットランド)” の例文
おびていることがみてとれる。ウェールズの海もスコットランドの山も雲がたちまちにとじこめ、汽車は雨をついて英京ロンドンに入った。
西航日録 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(街路は湾の曲がれるにしたがってめぐるように走り、波のきらめく光が旅客の楼に入る。海と空の果てるところを望めば、ひとすじの髪のごとくみえるのはスコットランドなのである。)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(牧草地の草は暖かく、春の晴天をみせて、牛馬は遊ぶにうんだかのように日ぐれに鳴き声をあげる。ウェールズの海もスコットランドの山もたちまちに雲にとざされて、汽車は雨のなかを英国の都に入ったのであった。)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(春の日、暖かい風が吹いて渓の色も濃く、車窓より一望すれば、胸にたまった旅のつかれも洗われる思いがする。スコットランドの山の奥深いところは春のおとずれも遅く、白雪が天にあるような涅毘ベンネビスの峰がそびえている。)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(日暮れのおそい春の日、暖かい風に谷の色あいも濃く、車窓より一望すれば心の中が洗われる思いがする。スコットランドの山々の奥深いところでは春のおとずれも遅く、白雪におおわれた涅毘山ベンネビスの峰が天にかけられたようにそびえている。)
西航日録 (新字新仮名) / 井上円了(著)