蘆洲ろしゅう)” の例文
潮はようやく動いて来た。うおはまさに来らんとするのであるがいまだ来ない。川向うの蘆洲ろしゅうからバンがもが立って低く飛んだ。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
植村子順、名は正義、通称は某、蘆洲ろしゅうと号した。下谷車坂町くるまざかちょうに住した某組の与力よりきで詩を枕山に学んだ。明治十八年享年五十六で没したので、嘉永元年には年十九である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
『鉄心遺稿』に「至日しじつ邸舎小集、磐渓ばんけい嶺南れいなん畏堂いどう可医かい、枕山、湖山、南園、秋航、雲如、豹隠ひょういん蘆洲ろしゅう瓦雞がけいノ諸子ト同ジク賦ス。(略)コノ日歓甚シ。痛飲シテ兵ヲ談ズ。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)