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藺草
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いぐさ
ふりがな文庫
“
藺草
(
いぐさ
)” の例文
其処は蛛網の大綱がくつついてゐる
榛
(
はん
)
の木の直ぐ根元でした。青い
豆蜋
(
とうすみとんぼ
)
が
藺草
(
いぐさ
)
の叢の間を彼方此方と飛びまはつて、それ/″\に猟の最中でした。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
いずれも
雪晒
(
ゆきさら
)
しによって、その白さを得ます。寒い国にも恵みは失われておりません。飯山地方の
藺草
(
いぐさ
)
の栽培と、
畳表
(
たたみおもて
)
の製造も、忙しい仕事であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
雨の降る日は、
藺草
(
いぐさ
)
でつくったみのぼうしをかぶって、学校へ通う。
外套
(
がいとう
)
やレインコートはもちろんのこと、傘をもつことすら、小学生には非常な
贅沢
(
ぜいたく
)
と考えられていた。
おにぎりの味
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
ひとしきり
展開
(
ひろが
)
ったがやがて止み、雨にぬれ足に踏まれしどろに乱れた、芒や萱や
藺草
(
いぐさ
)
の中に、三本の脚がころがってい、三人の
負傷者
(
ておい
)
が
半分
(
なかば
)
死んで、それが捨てられて燃えている
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
側面はとれてしまい、
藺草
(
いぐさ
)
のあいだに平べったい底が形ばかり残っていた。しかしその原型は、血管まで見える、何かのけだものの朽ちた大きな
趾
(
あし
)
うらのように、輪郭がはっきりしていた。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
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キャラコさんは、
物怯
(
ものおじ
)
したような顔で、広い座敷の真ん中にぽつねんと坐っている。靴下をへだてて
藺草
(
いぐさ
)
の座布団の冷たさがひやりと膚に迫る。それがまた、なんとなく落ち着かない思いをさせる。
キャラコさん:06 ぬすびと
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
これ以上の案内者はない。同君が計画したという
藺草
(
いぐさ
)
(ワングル)の
上沓
(
うわぐつ
)
は形も細工も見事であった。
全羅紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
“藺草(イグサ)”の解説
イグサ(藺草、イ草、Juncus decipiens)は、単子葉植物イグサ科の植物である。標準和名はイ(藺。「イグサ」を使うこともある)。最も短い標準和名としても知られている。別名:トウシンソウ(燈芯草)。畳表を作るのに使われる。俳句では夏(仲夏)の季語とされる。
(出典:Wikipedia)
藺
漢検1級
部首:⾋
19画
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
“藺草”で始まる語句
藺草履