薬王品やくおうほん)” の例文
旧字:藥王品
糸のような一条路ひとすじみち背後うしろへ声を運ぶのに、力を要した所為せいもあり、薬王品やくおうほんを胸にいだき、杖を持った手にぼうを脱ぐと、清きひたいぬぐうのであった。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かくて胸なるくれないの一輪をしおりに、かたわら芍薬しゃくやくの花、ほう一尺なるにきょうえて、合掌がっしょうして、薬王品やくおうほんを夜もすがら。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)