蕨餅わらびもち)” の例文
ここは木曾第一の難処と聞えたる鳥井峠の麓で名物蕨餅わらびもちを売っておる処である。余はそこの大きな茶店に休んだ。
くだもの (新字新仮名) / 正岡子規(著)
お蘭は冷水で絞った手拭を持って来てやったり、有り合せの蕨餅わらびもちに砂糖をかけて出してやったりした。
みちのく (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「それから倉之助の蕨餅わらびもちといふのがある」
木々の精、谷の精 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
お蘭は冷水でしぼった手拭てぬぐいを持って来てやったり、有り合せの蕨餅わらびもちに砂糖をかけて出してやったりした。
みちのく (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ただときどき小夜の中山を越して日坂の蕨餅わらびもちを食ってみたいとか、御油、赤阪の間の松並木の街道を歩いてみたいとか、譫言うわごとのように言っていたが、その度もだんだん少なくなって
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)