蕎麦殻そばがら)” の例文
枕は蕎麦殻そばがらをつめ込んだ、小さな坐布団みたいなものに、薄い日本紙をかぶせ、軽い木箱に結びつけたもの。洗面等は戸外でやる。
野に満ち満ちている両軍の精兵は、まるで蕎麦殻そばがらをきれいに置いて、大地に陣形図を描いたように見える。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのころ、与一は木綿もめんの掛蒲団一枚と熟柿じゅくしのような、蕎麦殻そばがらのはいった枕を一ツ持っていた。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
よく人が生蕎麦は色が黒いと申しますけれどもあれは蕎麦殻そばがらの交った三番粉位を
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
枕というは黒板こくばんふき位の大きさの、蕎麦殻そばがらをつめ込んだ小さな袋である。これが高さ三インチの長細い木箱の上にのっている。枕かけというのは柔かな紙片を例の袋に結びつけたものである。