著者ちょしゃ)” の例文
本篇ほんぺん集成しゅうせいしたるものはわたくしでありますが、私自身わたくしじしんをその著者ちょしゃというのはあたらない。わたくしはただ入神中にゅうしんちゅうのTじょくちからはっせらるる言葉ことばはた筆録ひつろくし、そしてあと整理せいりしたというにぎません。
後見の父親房は、あの「神皇正統記」の著者ちょしゃでもあった。それでもわかるように身をすことみずからきびしく、神国、皇室、万世一系をとする主義のほかには生きがいもないかのような人である。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)